世の中探究ゼミ。
今日は「あなたのための短歌集 木下龍也」を取り上げました。
短歌は歌だけを見るとその世界をイメージするのは結構難しい。
「ふるさとのなまりなつかし停車場の 人ごみの中に そを聴きに行く」(石川啄木)。
啄木は岩手県出身。上京した啄木がふるさと岩手のなまりが懐かしくてそれを聴きに、ある駅に行く。その駅は上野駅。こうした背景を知ると歌はぐっと身近に迫ってくる。
木下さんのこの歌集は、個人のリクエストに応じてその人のためだけに歌を作ったものを集めています。
リクエスト「この春からずっとなりたかった中学の国語の教員になります。私の名前にある「鳥」に関することばを入れて短歌をお願いします。」
木下さんの歌「背を向けて板書しながらあなたにも翼があると教える仕事」
「私は臨床心理士をしています。この仕事をがんばっていきたいという気持ちを支える短歌がほしいです」というリクエストに応えての、木下さんの歌。
「透明な都市のどこかの一室で( )をかかえる子を見つけだす」
( )は何でしょう?と生徒のみんなに問いかけました。
生徒の一人の「答え」は「やみ」。この生徒の答えは深い!
木下さんは「ひざをかかえる」と書いています。
そんなやりとりをしながら授業は展開していきます。